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シンプレックス・プロセスとは?Basadurの創造的問題解決8ステップを解説

シンプレックス・プロセスはMin Basadurが開発した創造的問題解決の8段階手法です。問題発見から実行までの全ステップ、4つのフェーズ、注意点を体系的に解説します。

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    シンプレックス・プロセスとは

    シンプレックス・プロセス(Simplex Process)は、カナダの組織心理学者ミン・バサドゥール(Min Basadur)が開発した創造的問題解決の手法です。問題発見から実行・定着までを8つのステップで体系化しています。

    この手法の特徴は、問題が明確に定義されていない「あいまいな状況」から出発する点にあります。一般的な問題解決手法が「問題は既知」を前提とするのに対し、シンプレックスは問題の発見そのものを最初のステップに据えています。

    構成要素

    8つのステップは4つのフェーズに分類されます。

    フェーズステップ内容
    生成(Generating)1. 問題発見変化やトレンドから問題・機会を感知する
    生成(Generating)2. 事実収集状況に関する情報を幅広く集める
    概念化(Conceptualizing)3. 問題定義解決すべき課題を明確に言語化する
    概念化(Conceptualizing)4. アイデア創出解決策のアイデアを多数生成する
    最適化(Optimizing)5. 評価・選択アイデアを評価し、最適な案を選ぶ
    最適化(Optimizing)6. 行動計画実行のための具体的な計画を策定する
    実行(Implementing)7. 合意形成関係者の支持と理解を獲得する
    実行(Implementing)8. 実行計画を実行し、結果を監視・修正する
    シンプレックス・プロセスの8ステップ

    実践的な使い方

    ステップ1: 問題発見 - 「何が変化しているか」を問う

    組織の内外で起きている変化、トレンド、不満、違和感を幅広く感知します。顧客の声、市場動向、社員の不満などがシグナルになります。

    ステップ2: 事実収集 - 判断を保留して情報を集める

    発見した問題に関する情報を、関連性の判断を保留したまま収集します。先入観なく事実を集めることで、問題の全体像を把握します。

    ステップ3: 問題定義 - 「なぜそれが問題なのか」を言語化する

    「どうすれば〜できるか?(How might we…?)」の形式で問題を再定義します。複数の定義を作り、最も本質的なものを選びます。

    ステップ4: アイデア創出 - 量を優先する

    ブレインストーミングなどの手法で、解決策のアイデアを大量に生成します。この段階では質より量を重視し、批判を控えます。

    ステップ5: 評価・選択 - 基準を明確にして選ぶ

    生成したアイデアを実現可能性、インパクト、コストなどの基準で評価します。直感だけでなく構造的な評価を行います。

    ステップ6: 行動計画 - 「誰が、いつ、何を」を決める

    選択した解決策の実行に必要なタスク、担当者、期限を具体化します。リスクと対策も事前に計画します。

    ステップ7: 合意形成 - 抵抗を予防する

    実行前に関係者への説明と合意形成を行います。変化への抵抗を減らし、協力を得ることで実行の確度を高めます。

    ステップ8: 実行 - 監視しながら適応する

    計画を実行に移し、進捗を定期的に確認します。状況の変化に応じて計画を修正し、成果が出るまで継続します。

    活用場面

    • 新規事業開発: 問題が明確でない段階から構造的にアプローチする
    • 組織変革: 変化のシグナルを捉え、全ステップを通じて変革を推進する
    • 製品開発: 顧客ニーズの発見からプロトタイプの実装までを一貫して管理する
    • チームビルディング: メンバーの得意フェーズを活かした役割分担を行う
    • 継続的改善: サイクルを繰り返すことで、イノベーションを組織に定着させる

    注意点

    ステップを飛ばさない

    特にステップ1〜3の「問題の発見と定義」を軽視して、いきなりアイデア出しに入るケースが多いです。問題を正しく定義しないまま解決策を考えると、的外れな結果になります。

    フェーズ間の行き来を許容する

    8ステップは順序立てられていますが、新たな事実が判明した際にはステップを遡ることが必要です。硬直的に進めず、柔軟な運用が重要です。

    合意形成を軽視しない

    優れた解決策でも関係者の理解と支持がなければ実行できません。ステップ7の合意形成は実行の成否を左右する重要なプロセスです。

    まとめ

    シンプレックス・プロセスは、問題の発見から実行までを8段階で体系化した創造的問題解決手法です。あいまいな状況を出発点にできる点が大きな特徴であり、イノベーション推進や組織変革の場面で効果を発揮します。各フェーズでの拡散と収束のリズムを意識し、全ステップを丁寧に踏むことが成功の条件です。

    参考資料

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