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ライトニング・デシジョン・ジャムとは?40分で問題発見から行動計画まで到達する手法

ライトニング・デシジョン・ジャム(LDJ)は口頭議論を排除し、サイレントライティングとドット投票の繰り返しで40分以内に問題から行動計画まで到達するワークショップ手法です。7ステップの進め方を解説します。

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    ライトニング・デシジョン・ジャムとは

    ライトニング・デシジョン・ジャム(Lightning Decision Jam、以下LDJ)とは、サイレントライティング(黙って書く)とドット投票を繰り返すことで、口頭の議論を一切行わずに約40分で問題の特定から行動計画の策定まで到達するワークショップ手法です。ドイツ・ベルリンのデザインスプリントエージェンシーAJ&Smartの創設者ジョナサン・コートニー(Jonathan Courtney)が開発しました。

    LDJの最大の特徴は「口頭議論の完全排除」にあります。全プロセスをサイレントライティングとドット投票で構成することで、声の大きい人に議論が支配されることを防ぎ、民主的かつ高速な意思決定を実現します。

    通常の会議では、1つの問題について全員が口頭で意見を述べると、話が脱線し、声の大きい人の意見に引きずられ、時間だけが過ぎていきます。LDJはこの非効率を「口頭議論の禁止」という大胆なルールで解消します。すべてのプロセスを書く作業と投票で構成し、民主的かつ高速に意思決定を進めます。

    構成要素

    ライトニング・デシジョン・ジャムの7ステップ

    LDJは7つのステップで構成され、各ステップに厳密なタイムボックスが設けられています。

    ステップ活動時間方式
    1問題の書き出し7分サイレントライティング
    2問題のドット投票3分ドット投票
    3問題のリフレーミング5分サイレントライティング
    4解決策の書き出し7分サイレントライティング
    5解決策のドット投票3分ドット投票
    6努力/影響マトリクスで優先順位付け5分グルーピング
    7行動計画の策定10分サイレントライティング

    実践的な使い方

    ステップ1: 問題を付箋に書き出す(7分)

    参加者全員が沈黙のまま、現状の問題点や課題を付箋に書き出します。1枚に1つの問題を記載し、枚数に制限はありません。書き終えたら壁に貼ります。

    ステップ2: 最も重要な問題にドット投票する(3分)

    各参加者にドットシールを3個配布し、最も取り組むべきだと考える問題に投票します。得票数の多い上位1〜3個の問題を選びます。

    ステップ3: 問題をリフレーミングする(5分)

    選ばれた問題を「どうすれば〜できるか(How Might We)」の形式に書き換えます。「会議が長すぎる」という問題は「どうすれば会議を30分以内に終えられるか」に変換します。この変換により、問題が解決可能なチャレンジに転換されます。

    ステップ4: 解決策を付箋に書き出す(7分)

    リフレーミングされた問いに対する解決策を、沈黙のまま付箋に書き出します。実現可能性は気にせず、量を重視します。

    ステップ5: 解決策にドット投票する(3分)

    再びドット投票で、最も有望な解決策を選びます。

    ステップ6: 努力/影響マトリクスで優先順位を付ける(5分)

    得票が多かった解決策を、縦軸に「影響度(高/低)」、横軸に「努力(大/小)」の2x2マトリクスに配置します。「影響度が高く、努力が小さい」象限にある解決策が最優先の候補です。

    ステップ7: 行動計画を策定する(10分)

    最優先の解決策について、具体的なアクションステップを書き出します。「誰が」「何を」「いつまでに」を明確にし、実行に移せる状態にします。

    活用場面

    • スプリントのレトロスペクティブで、チームの改善アクションを素早く特定し行動計画まで落とし込む場面に最適です
    • プロジェクトのキックオフで、チームメンバーが感じている潜在的なリスクや障壁を洗い出し、対策を決める際に使えます
    • 部門の課題解決ミーティングで、議論が堂々巡りになりがちなテーマに対して、構造化されたプロセスで突破口を開く手段として有効です
    • リモートチームでも、MiroやFigJam上で同じプロセスを再現でき、対面と同等の成果が得られます

    注意点

    LDJは「口頭議論の禁止」と「タイムボックスの厳守」が成功の前提条件です。どちらか一方でも崩れると、通常の会議と変わらなくなり、40分で完結するという手法の利点が失われます。

    口頭議論の禁止を徹底する

    LDJの最大のルールは「話さない」ことです。各ステップで参加者が議論を始めそうになったら、ファシリテーターは即座に止めます。口頭議論を許すと、LDJの速度と民主性という利点が失われます。

    タイムボックスを厳守する

    各ステップの制限時間は厳密に守ります。「もう少し時間があれば」という延長要求に応じると、全体のリズムが崩れます。時間内に書ききれなかった分は切り捨てる覚悟で進めます。

    リフレーミングの質が成果を左右する

    ステップ3の「How Might We」への変換が曖昧だと、ステップ4以降の解決策の質も低下します。「どうすれば〜できるか」の形式を守り、具体的で行動可能な問いに変換することがファシリテーターの腕の見せ所です。

    参加人数が多すぎると収拾がつかなくなる

    LDJは4〜8名程度の小グループで最も効果を発揮します。参加人数が10名を超えると、付箋の枚数が膨大になり、ドット投票での絞り込みが難しくなります。大人数の場合はグループを分割して並行実施することを検討してください。

    まとめ

    ライトニング・デシジョン・ジャムは、サイレントライティングとドット投票の反復によって、約40分で問題発見から行動計画まで到達する高速ワークショップ手法です。口頭議論を排除することで、声の大きさに左右されない民主的な意思決定を実現し、チームの実行力を加速させます。

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