相互関連図法とは?要因間の因果関係を可視化する手法を徹底解説
相互関連図法(連関図法)は複雑に絡み合う要因間の因果関係を矢印で可視化する手法です。新QC7つ道具の一つで、根本原因の特定と構造理解に役立ちます。
相互関連図法とは
相互関連図法(Interrelationship Diagram)は、複雑に絡み合う要因間の因果関係を矢印で可視化する分析手法です。日本では「連関図法」とも呼ばれ、新QC7つ道具の一つとして位置づけられています。
特性要因図(フィッシュボーン図)が1つの結果に対する要因を一方向に整理するのに対し、連関図法は要因同士の双方向的な因果関係まで表現できます。これにより、問題の根本原因(ドライバー)と結果(アウトカム)を構造的に把握できます。
構成要素
連関図法の基本要素は次の3つです。
| 要素 | 説明 |
|---|---|
| ノード(要因) | 問題に関連する要因や事象をカードや付箋で表現する |
| 矢印(因果関係) | 原因から結果への影響の方向を矢印で示す |
| 出入度(In/Out度) | 各ノードへの入矢印数と出矢印数を集計し、根本原因と最終結果を判別する |
出矢印が多いノード(高Out度)は根本原因である可能性が高く、入矢印が多いノード(高In度)は複数の原因が集中する結果的な事象です。
実践的な使い方
ステップ1: テーマを設定する
「なぜ顧客満足度が低下しているのか」「なぜ納期遅延が頻発するのか」など、分析対象のテーマを明確にします。
ステップ2: 要因を洗い出す
ブレインストーミングや既存データの分析で、テーマに関連する要因を幅広く挙げます。一般的に15〜25個程度の要因が扱いやすい範囲です。
ステップ3: 因果関係の矢印を引く
すべての要因ペアについて「AはBの原因か?」を検討し、因果関係がある場合は矢印を引きます。チームで合意しながら進めることで多角的な視点を確保します。
ステップ4: 出入度を集計し分析する
各要因の入矢印数と出矢印数を集計します。出矢印が多い要因を根本原因として優先的に対策を検討します。
活用場面
- 品質問題の分析: 製造工程で繰り返される不良の根本原因を特定する
- 組織課題の構造化: 複数の部門にまたがる問題の因果構造を可視化する
- 戦略立案: 市場環境の変化要因の相互影響を分析する
- プロジェクトのリスク分析: リスク要因間の連鎖関係を把握する
- 改善施策の優先順位: 最も影響度の高い要因から施策を実行する
注意点
要因の粒度を揃える
抽象的な要因と具体的な要因が混在すると、因果関係の判断が困難になります。同じレベルの粒度で要因を記述することが重要です。
因果関係と相関関係を区別する
AとBが同時に起こるからといって、AがBの原因とは限りません。矢印を引く際は相関ではなく因果関係の有無を慎重に判断します。
要因が多すぎると図が複雑になる
30個以上の要因を一度に扱うと、矢印が交錯して読み取れなくなります。大きなテーマは複数のサブテーマに分割してから分析することを推奨します。
まとめ
相互関連図法は、複雑な因果関係を可視化して根本原因を特定するための有効な手法です。特性要因図では捉えきれない要因同士の相互作用を明らかにできる点が最大の強みです。チームでの合意形成を通じて因果関係を検討することで、多角的な視点に基づく問題分析が可能になります。
参考資料
- What is an Interrelationship Digraph? Relations Diagram - ASQ(品質管理の専門機関による定義と手法解説)
- 新QC七つ道具の活用ポイント 連関図法とは - 日本科学技術連盟(連関図法の作成手順と活用ポイント)
- 連関図法で、こんがらがった問題を解きほぐす - PROTRUDE(新QC7つ道具としての連関図法の解説)