🔍問題解決スキル

ダブルダイヤモンドとは?デザイン思考の4段階プロセスで問題解決力を高める

ダブルダイヤモンドは英国デザイン評議会が提唱した、問題発見と解決策創出を2つのダイヤモンド形で構造化するプロセスモデルです。4つのフェーズと実践方法を解説します。

#ダブルダイヤモンド#デザイン思考#問題解決#発散と収束#デザインプロセス

    ダブルダイヤモンドとは

    ダブルダイヤモンド(Double Diamond)とは、問題解決のプロセスを「問題空間」と「解決空間」の2つのダイヤモンド形で構造化するデザインプロセスモデルです。英国デザイン評議会(British Design Council)が2005年に発表しました。

    このモデルの核心は、「正しい問題を見つけること」と「正しい解決策を作ること」を明確に分離する点にあります。多くのプロジェクトでは、問題の定義が曖昧なまま解決策の検討に飛びつき、的外れな成果物を生み出してしまいます。ダブルダイヤモンドは、この構造的な失敗を防ぐための設計図です。

    各ダイヤモンドは「発散(Divergent)」と「収束(Convergent)」の2フェーズから成り、全体で4つのフェーズ(発見・定義・展開・実行)で構成されます。コンサルタントにとって、プロジェクトの全体設計とファシリテーションの指針として極めて実用的なモデルです。

    ダブルダイヤモンドモデルの図

    構成要素

    4つのフェーズ

    フェーズ思考モード目的主な活動
    発見(Discover)発散問題を広く探索するユーザーリサーチ、インタビュー、観察
    定義(Define)収束正しい問題を特定する分析、インサイトの抽出、問題定義
    展開(Develop)発散解決策を幅広く生成するアイデア発想、プロトタイピング、実験
    実行(Deliver)収束最適な解決策を形にするテスト、改善、実装、展開

    問題空間と解決空間

    ダブルダイヤモンドの最も重要な構造的特徴は、2つのダイヤモンドの接合点にあります。第1ダイヤモンドの収束点で「正しい問題の定義」が確定し、それが第2ダイヤモンドの起点となります。

    問題空間(第1ダイヤモンド)では「何を解くべきか」を探索します。ここで十分な時間を使わずに解決空間に移ると、誤った問題に対する精巧な解決策を作ってしまう危険があります。

    解決空間(第2ダイヤモンド)では「どう解くか」を探索します。定義された問題に対して複数の解決策を生成し、検証を経て最適解を選びます。

    実践的な使い方

    ステップ1: 発見フェーズで問題を広く探索する

    まず、解決すべき領域を広く探索します。ステークホルダーへのインタビュー、現場観察、データ分析などを通じて、表面的な症状ではなく根本的な課題を把握します。この段階では判断を保留し、できるだけ多くの視点と情報を集めることが重要です。

    ステップ2: 定義フェーズで課題を絞り込む

    収集した情報を構造化し、最も取り組むべき核心課題を特定します。アフィニティダイアグラムやカスタマージャーニーマップなどのツールを使い、データからインサイト(洞察)を抽出します。このフェーズの成果物は、チーム全員が合意する明確な問題定義文(Problem Statement)です。

    ステップ3: 展開と実行で解決策を創出・実装する

    定義された問題に対して、ブレインストーミングやプロトタイピングで多数の解決策を生成します。その後、ユーザーテストやフィードバックを通じて候補を絞り込み、実装可能な形に仕上げます。プロトタイプを早い段階で作り、小さく試して改善するサイクルを回すことが成功の鍵です。

    活用場面

    • 新規事業開発で、顧客の真のニーズを発見し解決策に落とし込む場面
    • 業務改革プロジェクトで、現場の本当の課題を特定してから改善策を設計する場面
    • DX推進において、技術ありきではなく課題起点のソリューション設計を行う場面
    • サービスデザインで、顧客体験の改善ポイントと改善策を体系的に探索する場面
    • プロジェクト計画の策定で、調査・分析・設計・実装の工程を構造化する場面
    • ワークショップのファシリテーションで、参加者の議論を発散と収束に整理する場面

    注意点

    ダブルダイヤモンドは直線的なプロセスに見えますが、実際にはフェーズ間を行き来する反復的なプロセスです。定義フェーズで新たな発見があれば発見フェーズに戻り、実行フェーズでの検証結果が問題定義の修正を要求することもあります。

    また、発散フェーズに十分な時間を確保しない組織が多く見られます。特に成果を急ぐプロジェクトでは、発見フェーズが省略され、既知の問題に対する既知の解決策が適用されがちです。しかし、これではダブルダイヤモンドの価値が発揮されません。

    さらに、このモデルは「何を作るか」のプロセスには優れていますが、「どう実行するか」の組織変革やチェンジマネジメントの側面はカバーしていません。コンサルティングの実務では、優れた解決策を実装するための組織的な障壁への対処も合わせて計画する必要があります。

    まとめ

    ダブルダイヤモンドは、問題発見と解決策創出を発散と収束の4フェーズで構造化するプロセスモデルです。「正しい問題を見つける」ことと「正しい解決策を作る」ことを分離する設計により、的外れなアウトプットを防ぎます。コンサルタントがプロジェクトの全体設計やワークショップのファシリテーションに活用することで、問題解決の精度と効率を大幅に向上させることができます。

    関連記事