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CPS(創造的問題解決)とは?拡散・収束思考の実践プロセスを解説

CPS(Creative Problem Solving)はオズボーンとパーネスが開発した創造的問題解決のフレームワークです。4つのステージ、拡散・収束思考のサイクル、実践ステップを体系的に解説します。

    CPS(創造的問題解決)とは

    CPS(Creative Problem Solving)は、創造的な発想を体系的に引き出すための問題解決フレームワークです。1950年代に広告業界の重鎮アレックス・オズボーン(Alex Osborn)と教育学者シドニー・パーネス(Sidney Parnes)が共同開発しました。

    オズボーンはブレインストーミングの発案者としても知られています。彼は創造的な人々の思考プロセスを研究し、著書『Applied Imagination』でその知見を体系化しました。パーネスはこの手法を学術的に検証し、CPSが教育可能であることを実証しました。

    CPSの核心は「拡散思考」と「収束思考」の交互サイクルです。各ステージでまず選択肢を広げ(拡散)、次に絞り込む(収束)というプロセスを繰り返します。

    構成要素

    CPSは4つのステージで構成されます。各ステージに拡散と収束のフェーズがあります。

    ステージ拡散フェーズ収束フェーズ
    課題の明確化課題・事実・データを幅広く収集する取り組むべき核心課題を絞り込む
    アイデア生成解決策のアイデアを大量に発想する有望なアイデアを選別する
    解決策の開発選んだアイデアを多面的に具体化する最も効果的な解決策を決定する
    実行計画障壁や支援者、資源を広く探索する具体的な行動計画に落とし込む
    CPSプロセス: 拡散と収束の繰り返し

    実践的な使い方

    ステップ1: 課題を明確にする

    まず取り組むべき課題の周辺情報を広く収集します。「誰が困っているのか」「いつから問題なのか」「理想の状態は何か」といった問いで事実を整理します。次に「本当に解くべき問題は何か」を一文で定義します。この定義は「どうすれば〜できるか(How Might We)」の形式で表現すると発想しやすくなります。

    ステップ2: アイデアを大量に生成する

    ブレインストーミングやSCAMPER法を使い、解決策のアイデアを量重視で出します。この段階では批判・評価を一切保留する「判断延期の原則」が重要です。質より量を追求し、突飛なアイデアも歓迎します。拡散フェーズの後、評価基準を設けてアイデアを選別します。

    ステップ3: 解決策を練り上げる

    選んだアイデアをより具体的な解決策に発展させます。「この案の強みは何か」「弱点をどう補うか」「他の案と組み合わせられないか」を検討します。プロトタイプの作成やシミュレーションも有効です。最終的に最も実行可能で効果的な案を1つ選びます。

    ステップ4: 実行計画を策定する

    選んだ解決策を実行に移すための具体的な計画を作ります。誰が、何を、いつまでに実施するかを明確にします。想定される障壁とその対策、必要な支援者や資源も洗い出します。

    活用場面

    • 新商品・サービスの企画: 顧客課題に対する創造的な解決策を体系的に発想する
    • 業務改善: 現場の課題に対して斬新な改善アイデアを引き出す
    • 戦略立案: 従来の延長線上にない打ち手を探索する
    • チームビルディング: 多様なメンバーの視点を活かした協働的問題解決を促進する
    • イノベーション推進: 組織全体の創造的思考力を高める教育プログラムとして活用する

    注意点

    拡散と収束を混同しない

    最も多い失敗は、拡散フェーズで早々に評価・批判を始めてしまうことです。拡散と収束は明確に分離し、それぞれの思考モードを徹底することが成果の鍵です。

    ファシリテーションの質が成果を左右する

    CPSはプロセスが明確ですが、参加者の心理的安全性やテンポの管理など、ファシリテーターの力量が成果に大きく影響します。特にアイデア生成段階での場の雰囲気づくりが重要です。

    課題定義の精度が全体を決める

    課題の明確化が不十分だと、以降のステージでどれだけ優れたアイデアを出しても的外れな結果になります。最初のステージに十分な時間を投資することが推奨されます。

    まとめ

    CPSは、創造的な問題解決を属人的なひらめきから再現可能なプロセスに転換するフレームワークです。拡散思考と収束思考の交互サイクルにより、質の高いアイデアを体系的に生み出すことができます。デザイン思考の源流ともなったこの手法は、現代のイノベーション実践においても広く活用されています。

    参考資料

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