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GROWモデルとは?コーチングの基本フレームワークを解説

GROWモデルは、Goal・Reality・Options・Willの4段階で対話を構造化するコーチングの基本フレームワークです。1on1やメンタリングで活用できる実践手順を解説します。

    GROWモデルとは

    GROWモデルとは、コーチングの対話を4つの段階で構造化するフレームワークです。Goal(目標)、Reality(現状)、Options(選択肢)、Will(意思)の頭文字を取っています。

    1980年代後半にジョン・ウィットモアが体系化しました。ウィットモアはティモシー・ガルウェイのインナーゲーム理論に影響を受け、ビジネスコーチングに適用可能な対話モデルとしてGROWを確立しました。アラン・ファインやマックス・ランズバーグも同モデルの発展に寄与しています。

    GROWモデルの本質は「コーチが答えを教えない」ことにあります。4段階の問いを順序立てて投げかけることで、相手自身が目標を明確にし、現状を正しく認識し、選択肢を見つけ、行動にコミットする状態を引き出します。

    構成要素

    GROWモデルは4つのフェーズで構成されます。各フェーズには固有の目的と代表的な問いがあります。

    GROWモデルの4フェーズ(Goal・Reality・Options・Will)
    フェーズ目的代表的な問い
    Goal(目標)達成したい状態を明確にする「この対話で何を得たいですか?」
    Reality(現状)現在の状況を客観的に把握する「今どのような状況にありますか?」
    Options(選択肢)可能な行動の選択肢を広げる「他にどのような方法がありますか?」
    Will(意思)具体的な行動と実行の意思を確認する「まず何から始めますか?」

    Goalフェーズの要点

    目標設定では、セッション内の目標と中長期の目標を区別します。「今日の30分で何を整理したいか」と「最終的にどこを目指すのか」の両方を確認することで、対話の焦点が定まります。

    Realityフェーズの要点

    現状認識では、事実と解釈を分離します。「何が起きていますか」「それについてどう感じていますか」と分けて聴くことで、状況を多角的に把握できます。

    Optionsフェーズの要点

    選択肢の探索では、質より量を重視します。「制約がなかったら何をしますか」「他に3つ挙げるとしたら」と問いかけ、思考の枠を広げます。

    Willフェーズの要点

    意思決定では、行動の具体性とコミットメントの強さを確認します。「いつまでに何をしますか」「10点満点で実行する自信は何点ですか」と問いかけます。

    実践的な使い方

    ステップ1: セッションの目的を合意する

    対話の冒頭で「今日は何について話しましょうか」と問いかけます。テーマが曖昧な場合は「この30分が終わったとき、どうなっていたら良い時間だったと言えますか」と具体化を促します。

    ステップ2: 現状を丁寧に聴き取る

    「今どのような状態ですか」「これまでどのような取り組みをしましたか」「何がうまくいっていて、何が課題ですか」と問いかけます。コーチは仮説を押し付けず、相手の言葉で語ってもらいます。

    ステップ3: 選択肢をともに探索する

    「どのような方法が考えられますか」「尊敬する人ならどうしますか」「逆のアプローチを取るとしたら」と多角的に問いかけます。出てきた選択肢を評価するのは次のフェーズに回します。

    ステップ4: 行動計画を言語化してもらう

    「選択肢の中から何を選びますか」「具体的にいつ、どこで、何をしますか」「障害が出たらどう対処しますか」と問いかけます。実行の意思を本人の言葉で宣言してもらうことで、コミットメントが高まります。

    活用場面

    • 1on1ミーティングでの部下の目標設定と振り返り
    • プロジェクトメンバーの課題解決支援
    • キャリア面談における方向性の整理
    • クライアントとの戦略検討セッション
    • 研修後のフォローアップコーチング

    注意点

    GROWの順序にこだわりすぎない

    4段階は対話の基本的な流れを示すものであり、厳密に順番どおりに進める必要はありません。対話の中でRealityを深掘りしているうちにGoalが変わることもあります。順序に固執すると、形式的な質問の羅列になり、対話の自然な流れが失われます。

    答えを誘導しない

    GROWモデルを使う際に最も多い失敗は、コーチが「正解」を持った状態で質問することです。「こうすべきではないですか」「AよりBの方がよいと思いませんか」という誘導的な問いは、コーチングではなく指示です。相手が自分では到達しなかったであろう結論に至ったとしても、それは相手の気づきではなくコーチの意見の押し付けになります。

    Goalの抽象度に注意する

    「もっと成長したい」「コミュニケーションを改善したい」のような抽象的な目標のまま進めると、対話が拡散します。「3か月後にどのような行動ができている状態を目指しますか」と具体化を促すことが不可欠です。

    まとめ

    GROWモデルは、Goal・Reality・Options・Willの4段階でコーチングの対話を構造化するフレームワークです。コーチが答えを持たず、問いかけによって相手の自律的な目標設定と行動を引き出す点が本質です。1on1やメンタリングの対話の質を高める基盤として、幅広く活用できます。

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