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コーアクティブコーチングとは?対等な協働関係で変化を生む手法を解説

コーアクティブコーチングは、コーチとクライアントが対等なパートナーとして協働し、クライアントの全人格的な成長を支援するコーチングモデルです。4つの礎と3つの原則を解説します。

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    コーアクティブコーチングとは

    コーアクティブコーチング(Co-Active Coaching)とは、コーチとクライアントが対等なパートナーシップを結び、クライアントの人生全体における充実と成長を支援するコーチングモデルです。「Co-Active」は「共に(Co)能動的に(Active)」という意味を持ちます。

    ヘンリー・キムジーハウス、カレン・キムジーハウス、ローラ・ウィットワース、フィル・サンダールの4名がCTI(Co-Active Training Institute、現Coaches Training Institute)を通じて1990年代に体系化しました。

    コーアクティブコーチングの特徴は、仕事上の課題だけでなく、クライアントの価値観、人生の目的、感情、身体感覚を含む「全人格」を対話の対象とする点です。業績目標の達成だけを支援するのではなく、クライアントが本当に望む人生を生きることを支援します。

    構成要素

    コーアクティブコーチングは、4つの礎(コーナーストーン)と3つの原則で構成されます。

    コーアクティブコーチングの4つの礎(フルフィルメント・バランス・プロセス・大胆な行動)

    4つの礎

    内容
    フルフィルメント(充実)クライアントの価値観に沿った充実した人生を実現する
    バランス選択肢を広げ、視点を変え、より良い意思決定を支援する
    プロセス感情や体験の流れを大切にし、表面的な解決に急がない
    大胆な行動(Bold Action)コンフォートゾーンを超える行動を促し、変化を加速する

    3つの原則

    コーアクティブコーチングの対話は、以下の3つの原則に基づきます。

    • クライアントは本来、創造的でリソースに満ちた存在である
    • コーチングはクライアントの人生全体を扱う
    • テーマはクライアントが決める

    5つのコンテキスト

    コーチが対話の中で使い分ける5つのスキル領域があります。

    • 傾聴: 言葉の背後にある意図や感情まで聴く
    • 直感: コーチ自身の直感を信頼し、フィードバックとして伝える
    • 好奇心: 答えを知らない姿勢で問いかける
    • 深掘りと前進: 感情のプロセスに寄り添いつつ、行動を促す
    • 自己管理: コーチ自身の感情や判断を脇に置く

    実践的な使い方

    ステップ1: デザインドアライアンスを結ぶ

    セッションの関係性を最初に設計します。「この対話をどのような場にしたいですか」「私にどのように関わってほしいですか」とクライアントに問いかけ、対話のルールと期待を合意します。

    ステップ2: クライアントの価値観を明確にする

    「あなたにとって本当に大切なものは何ですか」「エネルギーが湧くのはどのような時ですか」と問いかけ、クライアントの中核的な価値観を探ります。価値観が明確になると、意思決定の基準が定まります。

    ステップ3: 3つのレベルで傾聴する

    レベル1(内的傾聴:自分の中の反応に気づく)、レベル2(集中的傾聴:クライアントに全注意を向ける)、レベル3(全方位的傾聴:場全体のエネルギーや雰囲気を感じ取る)の3段階で聴きます。

    ステップ4: 大胆な行動を設計する

    セッションの最後に、クライアントが日常で実践する行動を設計します。その行動は、価値観に沿っていて、かつコンフォートゾーンの少し外にあるものが望ましいです。「やるかどうか迷うけれど、やりたいと思うこと」を選びます。

    活用場面

    • キャリアの転機における方向性の探求
    • リーダーが自分の価値観とリーダーシップスタイルを統合する場面
    • ワークライフバランスの再設計
    • 組織変革のリーダーが自信と覚悟を固める場面
    • 燃え尽きからの回復と再出発

    注意点

    全人格的アプローチの範囲を見極める

    「クライアントの人生全体を扱う」とはいえ、ビジネスコーチングの文脈では範囲の設定が重要です。クライアントが望んでいないプライベートな領域に踏み込むのは適切ではありません。「どこまで扱いますか」とクライアント自身に範囲を決めてもらうことが前提です。

    直感の乱用に注意する

    コーチの直感をフィードバックとして伝えることはコーアクティブコーチングの特徴ですが、「私の直感ではこう感じます」が頻繁すぎると、コーチの意見の押し付けになります。直感はあくまで仮説として提示し、クライアントが受け入れるかどうかはクライアントに委ねます。

    行動の強制にしない

    大胆な行動の設計は、クライアントの意思で行うものです。コーチが「もっと大胆に」と圧力をかけると、クライアントのペースを無視した介入になります。行動の大きさはクライアントが決め、コーチはその選択を尊重します。

    まとめ

    コーアクティブコーチングは、コーチとクライアントが対等なパートナーとして協働し、クライアントの価値観に根ざした全人格的な成長を支援するモデルです。フルフィルメント、バランス、プロセス、大胆な行動の4つの礎を基盤に、傾聴と直感を駆使した深い対話を展開します。

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